『THINGS TO COME』(1936) 邦題『来るべき世界』 ・映画の背景  この英国映画の原作は、1933年に出版された古典SF作家H.G.ウェルズの『The Shape of Things to Come: Ultimate Revolution(題名直訳=来るものの姿:究極の革命)』で、彼は映画の脚本にもタッチしています。  H.G.ウェルズは、大英帝国が傾いて行く時代に師範学校で科学を、中でも“進化論”を学び、当時流行のC.ロンブローゾの“犯罪人類学”(注1)に影響を受け、『タイムマシン』(注2)というSF小説を書いて有名作家になりました。作品を幾つか読めば判りますが、白人主義者、ドイツが嫌い、と“当時の英国紳士そのもの”みたいな所があります。(この『The Shape of Things to Come −』では、日本人に関しても“キチガイの日本人が1985年にペンギンの撲殺記録を作った”(注3)とか書いてます(^^;))  また、当時の欧州支配階級に蔓延していた社会主義に傾き、フリーメーソンの広告塔だったとも言われています(←階級社会だった英国で、抜群の才能が有るとはいえ中規模商人の息子が異例の出世をした→ 何らかの後ろ盾が無いとまず無理)。現在の一般的なフリーメーソンは名士の親睦団体かもしれませんが? 当時のフリーメーソンは、欧米支配階層による政治経済的な操作を行なう“秘密結社”でした(注4)。ウェルズ氏がいつもキリスト教を揶揄し、ユダヤに対しては当り障りなく書くのもこの辺の理由からでしょうか?  そしてこの映画は、主要な関係者やスポンサーがフリーメーソン結社員であるのみならず、映画の中でもハッキリとフリーメーソンという組織名を口に出します。  原作は“1930年、欧州政界の裏の相談役のユダヤ系(?)博士が死んで、生前に依頼された親友のH.G.ウェルズが博士の未来予知夢の膨大なメモを整理して出版する”という設定で、2106年までの世界を描きます。H.G.ウェルズ著書中、最も重要な作品という評価がある(最も力を注いだ作品である事は間違いない)にも関わらず、第二次大戦中の日本で発禁にされたのは兎も角として、戦後の日本では2回翻訳の3回発売しかされていないようです。普通の小説ではなくて、とんでもなく読み辛いからなのでしょうか? 別の理由が有るのでしょうか?  筋を大雑把に見れば「第二次大戦による列強各国の崩壊後に、33年当時のソビエトで既に失敗が見えた“社会主義”革命の修正版を世界規模で成功させて“世界統一国家”を作る=“新世界秩序”」という流れになっています。正に“当時のフリーメーソンが描いた夢の未来図”でしょう。 ・予言か?計画か?  この原作による予言内容を80年以上たった現在から見ると、当たっている所も全く外れた所もあります。“各国バラバラの通貨が統一される”とか“メディアは一握りの有力者に握られ大衆は個性を奪われる”などは当たりでしたが、科学や生活の進歩・新発明や新発見は的外れだったり、全く書かれていないものも多いです。  原作で問題なのは“第二次世界大戦の起き方”で、  1.ナチスドイツとポーランドが些細な事から戦争になる  2.日本に侵略される中国に欧米が同情し(^^;)    アメリカがフィリピンへ軍を送って戦闘になる  のです。更に兵器について言えば、爆撃の為に“制空権を握った方が勝つ”という意味の文章はいいとして、現実には最も有効なミサイル(作中では空中魚雷と呼ぶ)攻撃ではなく、(兵器としては扱いにくい)毒ガスが多用されたとして、やたらに毒ガスの恐怖を強調するところも不思議です。細菌兵器に関しては“1936年に日本軍が中国で細菌をバラ撒いた”とか“1945年に日本軍が南京に細菌爆弾を落とした”としています(^^;)。(注5)  思い出してください、これはフリーメーソンがバックアップして“1933年”に出版された本です。本当の第二次大戦は“1939年”9月から始まります。  1933年当時のワレワレの青写真?  1.大戦を起こして長引かせ、各列強国体制をことごとく破壊  2.フリーメーソンだけは影響の外に居て勢力を保つ  3.フリーメーソンが君臨し支配する“新世界秩序”  しかし第二次大戦の結果はご存知の通り。もしかするとメーソンの名士達は本気で“メーソンの支配する世界統一理想国家”の実現(そして、その為に多少の“下衆”の犠牲は止むを得ない!!)を信じ、大戦計画を支援したのかもしれませんが、もっと邪悪な“死の商人と国際銀行家に踊らされて彼らを利するだけの為に2000万人以上を殺して、5000万人を飢餓と失業と貧困と病気に陥れた”わけです。 ・私の考え=人類は未だし  H.G.ウェルズ氏の思考の中心を占めるのは、進化論と優生学です。しかし、私の目には4千年前のエジプトの壁画と今の人類の身体はちっとも変わった様に見えません。当時から人類は進化も、そして退化もほぼしてないのです。例えば文明の進歩は、以前の人々の経験を踏み台にして“知識”を増やした結果です。人間の脳の進化(退化)ではありません。(注6)  ほぼ進化していない以上、考える事も4千年前と大差ありません。紀元前の秦の始皇帝やアレキサンダー大王のマケドニア王国が、蒙古が、ナポレオンが、戦前のフリーメーソンが、ソビエトが、自分達の支配する“世界統一国家”を夢見て、戦争の繰り返しと一時の繁栄と、その間の多大な犠牲を出して終わりました。同じ事の繰り返しです。しかも、後の戦争になるほど、その戦争の犠牲者数が増えて行きます。  現在「“新世界秩序”実現の為には、戦争と侵略を繰り返して何千万の犠牲を出してもOK」だと考えている“愚かで邪悪な支配層の方々が居る”とすれば、また先人と同じ事を繰り返して、貴方達より更に狡猾で貴方達を操る連中を“一時的に”儲けさせるだけだと気づいて下さい。  無理に戦争を起こしたり、無理に国家を作ったり、無理に民族を混ぜ混ぜにしたり・・・。一時的に上手く行く様に見えても、その無理のつけは必ず我が身に跳ね返って、最後に崩壊してゆくのです。その為に何百万人も殺すなんて全く馬鹿な話です。  人類に本当に世界統一のその時が来れば自然にそうなります。「それまでに人類が滅んだらどうするんだ!」って? さしあたって人類を滅ぼしそうなものは、核エネルギーとそれを使った兵器や、新種のウイルスでしょ? ええと、それらを推進して利用し商売にして儲けているのはどこの誰だっけ? ああ“新世界秩序”推進グループですネ。  話を戻して、人知で計り知れない自然法則が決めるその時代が来るのを待たず、戦争と侵略と詐欺による邪まな“世界統一”計画を推進し、自分達エリートグループが“世界統一国家”の支配者になろうなんて、ムリムリで、人間がお猿さんである事を高らかに示す、正に“猿知恵”ではないですか(^^;)。 注1.黄金バットではない(えっ?)。「犯罪は遺伝だ!! 顔を見りゃ判る」    という恐るべき“バカ説”(^^;)。 注2.過去の文明の廃墟に、その使い方も分らないほどオツムの空っぽな人類と    その人類に衣食を与えて食料にする(=家畜として飼う)こちらもオツム    の空っぽな地底人類が住むという未来にタイムマシンで行く発明者の話。     つまりこのまま英国が進むとその“進化と退化”の行き着く世界。なお    これを原作にした映画は複数作られたが、1960年版がベストと思う。 注3.これは、当時の戦争に向かう支配階層を無視して自分たちの日々の生活に    追われる欧州の一般市民を“仲間が撲殺されていくのを黙って眺めている    ペンギン”の愚かさに例えた節にあるのだが、ペンギンではなくドードー    の方がピッタリだろう。しかしドードーは白人が絶滅させたので(^^;) 注4.18世紀ごろの“フリーメーソン”は、欧州の教会建築の技術と、東洋で    言うと風水の様な建築法則を伝える団体で、各国に各派が在ったが、その    一部には仏革命時の当局の弾圧から逃れる“薔薇十字団”員が多数入り、    神秘主義や革命思想を注入した。それは“ユダヤ呪術カバラ”と“グノー    シス”であり、メーソンのマークはユダヤと同じピラミッドか、円を書く    為のコンパスを開いた三角形である。(ドル札なんか、ピラミッドに“ソ    ロモン王の目”が付いてる)     グノーシス(=聖智)思想      元の宇宙は唯一の神の光明であったが、嫉妬した造物主がバラバラ     に引き裂いて、忘却の酒を飲ませて人形に閉じ込めた。それが人間で     この世は造物主の支配下である。天に残った光はこっそり地上に降り     人間の光=霊を天に帰そうとする。天に帰る方法が“グノーシス”で     ある。が、造物主は光の無い“エセ人間”を量産して対抗中である。     造物主も神の光の一片=霊の存在自体は無くせないらしい。      よって、内なる光に目覚めたワレワレがエセ人間供を混ぜて統一し     最終的に宇宙の全ての物を一つに合体させる術を編み出し唯一の光明     を蘇らせる手助けをしなければならない。或いは最終戦争を起こして     この造物主の世界を破滅させなければならない。神、又は光を持つ人     によってこの世界が破滅するときが神の勝利の日で、造物主は完全に     闇の世界に封じ込められる。    光を持つ人間と持たない人間という選民思想。同じく“神に選ばれた”と    いう選民思想を持つユダヤの一部がグノーシスの影響を受けたものが、フ    リーメーソンの根幹となる。そして破滅の日まで、エセ人間達を混ぜ混ぜ    にした者共=家畜への支配者は“光を持つワレワレ”だ!とする。    家畜は人間では無いのだから、必要なら大量虐殺もワレワレの自由だし、    制約を与え調教する事は必須で、何らの事実も伝える必要は無い、むしろ    騙すべきである。こういう考えがメーソンである。まあメーソンにも色々    有るから、何と呼ぶべきか?“裏メーソン”とか“タカ派メーソン”とか    “冷ソーメン”とか、やっぱり“超偉大なるワレワレ”とか(^^;)。    ソビエトは失敗したけれどメーソン国家であるアメリカが、何で各民族を    必死で混ぜようとするか、各国の伝統や文化や宗教を破壊しようとするか    世界統一して支配しようとするか、これで分かると思う。理屈でなく宗教    なのだ!    でも、そう信じている人々を操って大量破壊兵器で大量殺人を繰り返し、    戦争とその火種を作り続けて金儲けしているだけかも?ホントの悪者が。    各民族の伝統や文化や宗教がなければ、世の中を縛るものは金だけとなり    一番金を持っている“国際ユダヤ”さんの天下だしネ(^^;)。    面白いのは、聖書だと造物主=神であるから、造物主が神の敵であるグノ    ーシスとは正反対なわけで、彼らはキリスト教でもなく、普通のユダヤ教    でもないことになる。“神に選ばれたワレワレ”教?    グノーシスは、古代エジプトから(ユダヤさんはユダヤから)生まれたと    信じられていたが、上記の理由からキリスト教もユダヤ教もグノーシスを    仲間に入れたがらず、現在では1〜3世紀のギリシアが発祥だということ    に落ち着いている(いつも悪く言われるギリシアも迷惑であるな)。 注5.この作品では、ほとんど常に日本をとても野蛮で極悪な様に書く。     私が思いついた理由     1.当時の英国人は人種差別主義者だから     2.メーソンの第二次世界大戦を起こす大衆洗脳計画の一環     3.当時の英国の中国への影響力を失わせようとする国だから     4.ユダヤでもキリスト教でも無い異教徒だから    またドイツ人を英国ほど柔軟でなく、フランスほどスマートでなく、イタ    リアほど勇敢でなく、スペイン・ロシアの詩情も無いと、欧州最低の民族    と評価する。     私が思いついた理由     1.15年前の第一次大戦の敵国で、今後も伸びそうだから     2.メーソンの第二次世界大戦を起こす大衆洗脳計画の一環     3.ウェルズは当時ドイツに宣戦布告していたユダヤ系?    あと、2回出てくる日本が攻撃される話の何れも大阪である。メーソンは    日本民族の絆を崩壊させ家畜化するには、日本の中でも大阪を潰さなけれ    ばいけないと考えていた(いや今もそう考えている)のかも? 注6.人為的な進化は、何世代もその種の天才を掛け合わせなければならず、代    を追うほど・改造するほど遺伝的問題が発生し(例:犬、馬)、環境が人    の性格を作る、という点を解決できないので、今のところは実質不可能。     お互い出来るだけ違う民族の天才同士を何世代も掛け合わせ、その方面    の良い教育を受けさせながらとても頑張る性格にし、天才なのに無欲無私    にするということが果たして出来るか? 天才でも頑張らなきゃ只の人で    天才で欲深なら悪魔でしょ。それにもし天才になっても、天才はきっと旧    支配層の言う事は聴かないから、ワレワレの計画は破棄されるし(^^;)     DNAをツギハギすれば、成長環境以外の条件はクリアできるって?    どうやって必要な部分を見分けそこだけを挿げ替える? 人体実験で数千    の失敗を繰り返すのか? それこそ悪魔の所業以外の何物でもない。ああ    そーいう悪魔の人体実験も米国が得意とするところであるな(^^;)